021.持病と因果な音楽趣味 その3~MRI検査と偏頭痛を悪化させる素晴らしき音楽群(和モノCD前編)

 

 

 

 

<※『これが驚異のMRIサウンドだ!』とかいうタイトルのオム二バスを誰か作って下さい!>

K氏、またしてもご無沙汰してしまいました。今回のブログは昨年9月に書きかけていたのですが、前回書いた様な諸般の事情もあり中断していたのです。それで新たに気を取り直して書こうとした矢先、今度はタイトル通りに偏頭痛が再発してしまったのです。はい、自分の因果な星を呪います。1月末から苦しんでおります。

去年一年間、偏頭痛は全く無かったのです。やっぱり今回発症の原因はストレスなのでしょう、おそらく。まずは胃に来ました。昨年12月の健康診査 → 胃の要再検査 → 今年初頭に胃カメラ検査を。ドクター曰く『激辛な食べ物を、この1ヵ月に渡って食べ続けましたか?』って、食べてない食べてないそんなもの!って一体何のチャレンジなのそれ?只でさえ辛いモノは苦手だっていうのに!ストレスと言う名のなまはげが先に胃を訪問し、次は頭部に挨拶をって感じなのでしょうか。この齢になってようやく次は自分の番かもと泣き叫ぶ東北ガキの気持ちにリンクした次第。

それで先日「東京頭痛クリニック」と言う大仰な名称の病院に行って、MRI検査とやらを受診して来たのです。これを受けた事がある方は結構いると思いますが、それにしても変な検査ですね、この検査って。検査着に着替えて台に横たわり、頭にヘルメットのようなヘッドギアのようななんたらを装着。そして “いざ” という時の為に右手に持たされるブザーのようなかんたら。でも “いざ” ってなんなのでしょうか?

そして上半身をすっぽりと覆うように、フードというかフタ状のどーたらが閉められます。つまり、そのフタの天井部しか視界に入らなくなります。超狭めのカプセルホテルといった案配。当然検査中はなにびとたりとも近づく事は許されないクフ王状態なのです。なのでここから先は自分では見られないので、昨年10月に母のMRI検査に付き添い、検査前にドアの隙間から垣間見えた情景のスケッチを。

どうやら台に横たわったまま、その台ごと頭部上方に設置されてある、仰々しくもメカメカしいトンネルというかゲートをくぐるようなのです。そのメカメカの内部には複雑で、ばり強力な磁石が仕掛けられている、との事なのです、、、って、これってつまり磁気ヘッドと磁気テープみたいな関係?所詮人間なんてカセットテープかVHSテープみたいな物。。。まぁ、CDやDVDでなくて良かった、等と訳の解らない事にひとりで安心というか納得。

さて再びカメラはわたくし視点アングルに切り替わります。(1)うぃんうぃんうぃん・うぃんうぃんうぃん・・・と、どうやら台がメカメカトンネルに向って動き始めたようです。いや待てよ、メカメカの方がこっちをスキャンするかの如く移動しているのかも。どちらにせよ、こっちからは全く見えませんので。(2)がすぽんがすぽんがすぽん・すがっすがっすがっ・どしむどしむどしむ・・・お、ジャーマン・プログレそっくりのノリの悪いハンマービートが!何かがメカメカ内部で作動し出したようです。(3)づがづがづが・ずいーむずいーむずいーむ・でづっでづっでづっ・・・そして今度はゆっくりとインダストリアル系サウンドに移行しました。更に(4)ぢゅいーむ!!!でゅぢゅぢゅ!ぢゅてーむ・すぎゅ!とぅでぇー・とぅでぇー・TODAY!!・・・・これは最早完全にハッシュド・ノイズ系。メカメカ内部では、ばり強力な磁石が高速で回転しているかのような気配が。暫く静かになったかと思うと今度はモンド系の(5)まちゅぴちゅまちゅぴちゅ・ちゅーんちゅーん・ぎょえーん御苑ぎょえーん御苑・・・

・・・とか持ちうる限りのボキャ駆使でメカメカ音を表記しようと試みたのですが、流石に限界を感じました。ってかこれってまるで、文部省推薦で小学校や図書館に常備してある絵本の擬音じゃないですか!『たいようが・ぷぅと・いきをふきかけました』とか『かわが・ざんぶらざんぶらと・ながれだしました』とか『むぉわーんむぉわーんと・せみが・なきだしました』とか『そのふろうしゃから・むひぃぃんとした・かおりが・ただよいました』とかの、その手のヤツ。あ、最後のはさすがに無いか。確かに解るんだけど何故か少しイラっとさせるその手の絵本。

なので、流石にメカメカ音の表記はこの辺りで切り上げて、今回の本題へ移行するとしましょう。冒頭に揚げた写真がMRI検査の音を彷彿させるLPとCD群です。これらの音源を超絶にミックスすると、かなり忠実なMRIサウンドが再現出来るのではないかと。ちなみに検査の時間は約20分。丁度LP片面くらいの長さです。今回あえてアーティスト名・アルバムタイトルは表記いたしません。もしどうしてもそれらを知りたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、遠慮せずにお問い合わせ下さいませ。

それでは偏頭痛発症時だからこそ書ける『偏頭痛を悪化させる素晴らしき音楽群』それは正に音の臨床実験。では、再開します!

 


 

知り合いのハード・コア・パンクのマニアは「ハード・コアよりガレージ・パンクのほうが喧しい」と仰ってましたが、ううむ、どちらでしょうか?私には判断つきかねますが。しかし、こと偏頭痛に関しては明らかにガレージ・パンクの方が発症率が高そうです。その理由は———ハード・コア・パンクは喧しいなりにも音量が安定しているのに対し、ガレージ・パンクは唐突にギターが歪んだり急に絶叫したりと、音量が不安定だからです。それでも今は、両者共ライブハウスで聴く自信はありませんが。

 

◎『ギターウルフ / 狼惑星』(’97年)◎『MAD3 / JACK THE VIOLENCE』(’96年)◎『ゆらゆら帝国 / III』(’01年)◎『角谷美知夫 / 腐っていくテレパシーズ』(’91年)
この『ギターウルフ』はメジャー・デビュー盤。このアルバムの前に米国と国内インディーズから3枚ほどリリースしていますが、そちらは録音をあえて悪くしたような典型的ガレージ・サウンド。なので、全編に渡って音が悪い分、音量もかえって安定しています。しかしこのアルバムは、急激に音を歪ませたり部分的にハウリング音を強調したりと、かなり意図的に作り込んだ人工的・機械的なガレージ・サウンドなのです。これ以降のアルバムは全編音が大き過ぎて音量が安定し、偏頭痛時にも割と聴けるようになりました。『MAD3』も典型的なガレージ・サウンド。全編傷口をサンド・ペーパーで擦られるような音質。ウルトラQのテーマもガリガリのインストで演奏。脳髄にピリピリと刺さります。『ゆらゆら帝国』のこのアルバムは、彼らの作品の中で最もガレージ度の高い1枚。割と直球勝負。これ以外のアルバムにもガレージ要素はスパイスとして入っています。しかしそれを上回るぐらいの雑多な要素を交配し、異化作用を起こさせたのがゆら帝の音楽なのでしょう。そして『角谷美知夫』氏は、ゆら帝の師匠格に当たる存在だと私は勝手に思っています。角谷氏の死後に出たこのアルバム、録音は’82~’88年で、友人達が持ち寄ったテープを編集し1枚にまとめたものだそうで、ライブやデモを寄せ集めた結果かなり混沌とした雰囲気に。ゆら帝のアングラでモンドでノイジーな、つまり非商業的部分を煮詰めまくったような音塊。頭を掴まれゆっくり回されているような感覚。偏頭痛をスルーして鬱病になりそうな恐れが。。。

 

◎『濱田マリ / フツーの人』(’95年)◎『金沢明子 / HOUSE MIX II』(’91年)◎『アーント・サリー / LIVE 1978-1979』(’01年)◎『ミキコアラマータ / ライブアラマータ』(’06年)
いるのですよ関西人女性でこういう声の方が。関西弁ならず、関西声。『濱田マリ』さんの事です。基本的に頭のてっぺんから声が出ている感じ。“おにぃちゃん” とか “おかぁちゃん” の、“にぃ” とか “かぁ” に強烈なアクセントが掛かります。マリさん、偏頭痛発症時には絶対会えません!もうひとりの強力なキンキン声女性がこの『金沢明子』さんです。以前紹介したカセットも、私が1枚だけ所有しているLPも、ストレートな民謡で金沢節全開。それでこのCDは時節柄ハウスに挑戦、、、って訳ではなく、かといってややお笑い寄りの企画モノでもありません。この企画前提で新たに録音した真っ当なる民謡を、生真面目にハウス・ミックスした代物なのです。この人が普通に民謡を唄うだけでもその声はかなり前頭葉にキン!と響くのに、さらに打ち込みのビートが追い打ちをかけるように後頭部からもズンズン響くのです。ちなみに同時発売された”HOUSE MIX I”は、偏頭痛視点ではこのCDよりも若干マイルドです。『アーント・サリー』は1年半だけ活動したバンドのライブ発掘音源で、カセットのモノラル録音。ヴォーカルのPhew(フュー)も関西人女性ですが、特にキンキン声ではありません。しかしこのバンドの出す音、強力にパンクです!しかも極端に線の細いパンク・ロックなのです。カセット録音 + モノラル録音 + ライブ録音で、尖った偏頭痛サウンドが倍々ゲームのように増幅!『ミキコアラマータ』は10年程前に知り合ったパワフル・ポップ・バンドで、’05年のライブ音源。大変ご無沙汰しておりますが、お変わりないでしょうか?Vo.のミキコ嬢の超骨太なシャウトは、地響きと共に吐瀉物をまき散らかしながら前進する巨神兵の如し!響きます!興味を持った方は是非CD店で発掘を。

 


 

K氏はMIRとかの検査を受けたことってあります?実はわたくし先週風邪をひいてしまって、胸膜炎というモノを併発してしまったのです。まあ病気という程、大した症状ではないのですが。そしてその時に今度はCT検査というヤツを受診したのです。MRIの簡易版って感じの検査だったので、大して音は出ませんでした。少し期待していたのですが。。。しかし今年に入ってから一体何度病院のお世話になっているんでしょうか!

更に今から7~8年くらい前、つまり今回のMRI検査よりもずっと前の偏頭痛時に、一度だけレントゲンの検査を受けた事があるのです。骨格の歪みから来る神経の圧迫具合が、偏頭痛にどれだけ影響しているかを調べる検査でした。実はその時にちょっと恥ずかしい思いをいたしまして、、、とか書き出すと又終わらなくなりそうです!

———ではK氏、その話は次回にでも、という事で!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください