022.若干の番外編(その1) 車窓からのタイ~台湾~韓国の風景、、、ではありません!

 

 

 

 

K氏、わたくし先月の4月21日から25日にかけて東京を離れておりました。しかし旅行ワクワク♡という訳では全くないのです。GWがとにかくバリ混みなので、その前にと思って遠出して来たのです。

はい、察しの良いK氏ならおおよその見当はついたでしょう。そうです、単に帰省していただけなのです。しかも今回は、高速道路が近隣の三重県尾鷲市にまで若干延長されたという事で、車でビュンと帰って来た訳なのですよ新宮まで、、、と言ってもK氏もご存知のように、わたくしこの齢になって運転免許も取得していない相当たるダメ人間。で、どうしたのかというと、家人ひとりの運転でこの恐るべき長距離&長時間の車による帰省をして来たという事なのです。嗚呼、何て鬼畜な人間と入籍してしまったんでしょう、この方は!

 


 

4月21日の午前10時35分、東京都練馬区の自宅を出発しました。若干の曇り空、微妙な晴れ間。天気はそこそこといった案配。運転手たる家人に「さあて、一発目のBGMは何がよろしい?」と聞いたところ「やっぱり朝だから爽やかなのを」と全く予想だにしなかった返答が!ていうか、予想しなさいよ普通。いきなり演歌や韓国ロックやキダ・タローでは、朝から牛丼特盛りと共にラザーニャを食する様なもの。耳もたれする事この上Nothing!

———さてここで、助手席歴十数年のベテランによる長距離ドライブBGM選びの考察を少々。流石にこのご時世、カー・オーディオで再生出来る音楽ソフトと言えばCDが一般的ですよね。でも何故かカセット時代の方が選び易かったのですが、まあそれはそれとして。しかしこれはあくまでも、かなり極私的なBGM選びの一例です。決して全ての方にあてはまる訳ではありませんので、念のため。以下適当に列挙しますと———

・普段自宅や仕事場で聴いている時とは別物と考えましょう。普段聴き慣れたCDを持って行くなという意味ではありません。永年聞き慣れていて一緒に唄えるCDも、気分転換に必要ですので。
・なるべくジャンルが偏らないように心がけましょう。パンクのみ、フリージャズのみ、古い歌謡曲のみといった限定したジャンルの音をかけ続けると、何故か途中で飽きてしまいますので。
・日本語、英語、その他の言語のCDもまんべんなく。インスト物も必要です。
・長時間運転をしていて運転者が眠くなった時の為の、目覚まし用のCDは必携です。
・静かだけれども日本語がくっきり聴こえ、なおかつ会話の邪魔にならない和モノCDも必要です。
・短い曲が目まぐるしく収録されているようなCDは、過去の経験からはBGMには不向きでした。
・時と状況にもよりますが、変拍子がやたらと多いCDも不向きでした。
・テクノやハウスといった、ビートが単調なフロア系も長時間は避けた方が良いでしょう。
・アンビエンス系は、ドライバーがよっぽど元気な時でないと、やっぱり避けた方が良いかと。
・偉い先生の講演会の録音、少し偉かった先生による小説の朗読、大して偉くもない坊主によるお経等、「その他」コーナーにあるCDは、内容の有り難さに正比例して眠気を誘発するので危険です!
・運転者が子供の頃に観たTVアニメの主題歌集は、かなり役に立ちます。

さて話は「やっぱり朝だから爽やかなのを」云々に続きます。そう言えば全く “爽やか系” は用意していなかったかも!すまん運転手さんよ、これで勘弁してくれ!チップは無いけれども!

◎『ロイ・オービソン / スーパー・ヒッツ』(26:41)◎『未映子 / 夢みる機械』(54:20)>
『ロイ・オービソン』は、まあ爽やかっちゃぁ爽やかかぁ。。。しかし10曲入りのベタなベスト物なので、収録時間が短いのが難点。『未映子』とは、現在は小説家で活躍している川上未映子さんの歌手時代の芸名。何となく爽やかな曲を静かに唄っているのではと想像しがちですが、この方の歌声というか唱法は予想以上に骨太でパワフルなのです。なので、若干の眠気も吹っ飛びました。ちなみに『アーチスト名 / アルバムタイトル』の後の( : )の数字はCDの収録時間です。これを合計すると車を運転していたアバウトな時間が解るのではと思い、書いてみました。

そうこうするうちに車は普段見慣れた近場の風景を通過して、東京インターから東名高速に入っています。さあここからは、単調な風景が延々と続くのです。いかにも高速といった感じの色気も素っ気もない、単なる道路が眼の前を通過して行きます。

単調です。。。ひたすら道、道、道。1969年、高度経済成長期真っただ中の開通以来、一体どれほどの人がこの景色を見た事なのでしょう。。。とか何とか思いを馳せている場合では無く、この単調なる気分を打破しなければならないのです!それは、助手席のベテランに課せられたタスクなのです。この状況を打破するのに必要なパワーとはそうです、想像力です、イマジネーションなのです!その為に神は人類に脳髄を授けたのです、、、って、何の事か説明しますと、音楽の力を借りて『この風景を何処かの異国の風景だと思い込む事にする』のです。やや力技ではありますが。しかしどうイマジネーションをフルスロットルしてみても、この風景はヨーロッパには感じられません。ましてやアフリカでもなければオーストラリアでもありません。無理のない範囲で想像するとすれば、やっぱりアジアが手近でしょう。では先ず手始めに、ここはタイの道路なのだと思い込む事にしましょう。ではCDをセット!

 

<◎『書籍「旅するタイ・イサーン音楽ディスク・ガイド」購入特典CD-R』(38:15)>
私はまだ未読なのですが、パラパラっと見ただけでもこの本の濃密さには圧倒されます。この特典CD-Rは、タイのイサーン地方のルークトゥンという音楽が厳選され多数収録されています。歌手・曲目クレジット等、一切記されていませんが、たとえ書かれていたとしてもまだ理解するには至れておりません。ここで詳しくは書きませんが、最近私と家人はタイ音楽に魅かれつつあります。と言ってもまだ入口にも到達出来ていない、全くの初心者なのですが。ルークトゥンとは、イサーン地方という田舎の人々に向けて作られたディープな大衆歌謡。『イサーン人は娯楽の為の金を惜しまない。例え1日働いた稼ぎが消えようとも金を払う』らしいです。他人とは思えません。その音楽ルークトゥンは独特の節回しと旋律と、農村や田舎を題材にした歌詞が特徴・・・なので、紀伊半島のド田舎を目指して走るには最適かも!この道路写真は、このCD-Rをかけていた時に助手席の車窓から見た風景です。何で最初から撮ってないんだ!と言われても、この一寸前に今回のブログを思いついて撮り始めた次第なのです。この道路の向こうに見える山々も何となくタイっぽいのでは。。。但し一度もタイに行った事はありませんが。。。ううむ。。。どうも無理があるような気がして来ました。。。所詮これは、やっぱり関東の風景ですね。。。

では、気を取り直しましょう。タイじゃなければ台湾に行けばいいじゃない、というアントワネッた気分でこのCDをピックアップ!

◎『鄧麗君(テレサ・テン)/黄金珍蔵版(disc6)』(50:07)
このCDは8年程前に台湾旅行した時に購入した10枚組で、おそらくバッタ物。買った時は気付きませんでしたが。選曲・曲順に一貫性がある訳でもなく、中国語曲・日本語曲・ライブ録音・日本曲の中国語カバー、それらが時間軸もバラバラに収録されています。若干のテープ回転速度のムラも、レコード盤のノイズもそのままの収録です。その中でもこのdisc6は、比較的古めの曲中心の落ち着いた選曲。ほらほら、このひたすら続く高速道路感、遠くにうっすらと垣間見える山々、どこか台湾旅行を思い出して来ました。。。が。。。なぜか若干の違和感が。。。そうです、台湾と日本では車線が逆なのでした!

タイも台湾もダメなら韓国があるじゃないと、さっき断首されたくせに甦るアントワ気分で次を選曲!韓国サイケデリック・フォーク・ロックの1973年の超名盤!プロデュースは韓国ロックのゴッド・ファーザーと言われる、シン・ジュン・ヒョン。彼を日本のロック界に例えるならば、かまやつと裕也と寺さんと哲哉を足したような存在でしょうか。

<◎『KIM JUNG MI(キム・ジュン・ミ)/ NOW』(40:04)>
風景的にもちょうど、韓国映画に出て来そうな陸橋に差し掛かかっております。この際車線は無視しましょう。韓国映画だとこの橋の上で激しいカー・チェイスがあり、次に車30台程の玉突き衝突があり、さらにその後炎上して爆発してこの陸橋は木っ端みじんっちゅうイメージでしょうか。ひとつ惜しいのは、このCDジャケのように晴れて欲しかった事です。それ程このCDは春の晴天に良く合う音なのです。但しうっかり聴いてしまうとハマりすぎ、丸一日布団から出られなくなりますが。。。

時刻は午後3時42分。距離的には大体半分といった所。これまた韓国映画の猟奇・暴力シーンにでも出て来そうな不気味なトンネルを抜けると、妙なモノが見えて来ました。何でしょうか?

 

どうやら観覧車のようです。何で高速道路の途中に観覧車が???そうです、ここは刈谷パーキングエリアと言って、どうやらこの観覧車が “売り” のようなのです。早速車を降りて観覧車に向います。私と家人は、目の前に乗り物があったら乗る、マイクが廻って来たら持ち歌を唄う、といったイサーン人な生き方をしているので何の迷いも無く乗り込みます。しかもスケルトンタイプという全方位丸見え/露出全開タイプを選択。当然、我々イサーン人には何の躊躇もありません。

しかしこのスケルトンたらも大したスリルがある訳でも無く、乗ってしまえば普通の観覧車と同じ。観える風景とて当たり前なれども単なる風景。“で、どうしたの” 感が一向にぬぐい去れません。

 

忸怩たる気持ちで車に戻り、再び高速道路にRIDE ON!。。。車に乗ってフト思いました。ひょっとしてあのスケルトンたらはAVの撮影や、ヘンタイさんカップルらにかなりの需要があるのでは。。。とかよしなしごとを考えていると、おっと、先程までとは若干風景が変わって来ました———

伊勢湾岸道路に突入です!道路も風景も心持ちシャープに見えて来ました!更に遠くには工場の煙突らしき物が。。。と、ここでタイミング良く韓国美女CDが終了。さてここは一発、風景にドンピシャなBGMを!———と気合いを入れた所でブログ前半戦はこれにて終了、以降次回に続きます。

ちなみにこの時点までのCDの総演奏時間は(03:29:27)つまり3時間半。そして時刻は午後4時30分。途中で食事をしたり、休憩をしたり、スケルトンプレイをしていましたので。では次回後半戦、尾鷲経由~新宮到着編をお楽しみに!

 


 

K氏、微妙に浮かない顔をしていますね。。。そうですか、前回の最後に書いた私の「ちょっと恥ずかしい」話がいつになったら始まるのかと待っていたのですね。解りました。では———

♪書きます書きますそのうちにぃ~、このあと続きはステージでぇ~♪と、河内音頭に乗せましたいい加減さで今回の長い長いお話しはチョン。

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