一寸、ブランクが空いてしまいました、K氏。その理由は次回のこのブログで説明するとして。
今回は前回予告したように、ステレオ・ラジカセ映えするカセット第3位の発表からです。それと、他にもラジカセ映えしたカセットをジャンル別に紹介します。なので今回、紹介するカセットが多いので、いつものように脱線しているヒマはありません!今回は文章量も控え気味にして。さて!どんどん行きますので。
では第3位です。実はこれを選ぶのにかなり悩みました。5ツの候補からどうしても選べず、なので同率3位、順不同ということで。以下の5本 ↓ が第3位です。写真左から若干の説明を。
◾️『エルヴィス・プレスリー / ブルー・ハワイ』(’80)このソフトはLP(モノラル版)とCD(ステレオ版)で所有していますが、このカセットは1980年に出たステレオ版です。七夕号の例の “アンビエンスモード” で再生すると、音の拡がりが半端なく “常磐ブルー・ハワイアン・センター” といった、いい湯加減になります。
◾️『THE MUSIC MACHINE / TALK TALK』おそらく1960年代後半。米国産のガレージ/サイケ物の名盤とされています。製品自体は新しめ。ただ惜しむらくはデジタル・リマスターなどという無粋な事はしない方が良かったのでは。テープも何故かクローム使用ですがノーマルで充分。ドルビーもオフの方がむしろ、、、
◾️『TOM WAITS / FRANKS WILD YEARS』(’87)キャプテン・ビーフハートという、私の一番好きなミュージシャンを一回り縮小したような印象を常に感じていたのですが、アンビエンスモード再生でエキゾ感、キャバレー感、共に五割増し。ビーフハートとは全くルーツが違う事がやっと認識できた次第。
◾️『PIL / フラワーズ・オブ・ロマンス』(’81)これまた大好きなジョン・ライドン率いる、PILの1981年のズンドコな4thアルバム。そりゃ最近出たSHM-SACD¥4,223も良い音なのでしょうよ、きっと、けっ!殆ど終始ドラムとヴォーカルだけで成立しているようなサウンド。なのでラジカセで聴くと、ドラムというよりむしろ和太鼓に聴こえます。ジョン・ライドンが角刈り鉢巻きのふんどし姿で、数年後の竜童組と共演して欲しかったです。
◾️『SPK / THE LAST ATTEMPT AT PARADISE』凶悪なノイズ・サウンドを奏でるユニットSPKの1982年のライブ・テープ。予想以上に聴きやすく意外にポップ。全編に漂うヒスノイズが心地良いです。日本の伝説バンド “裸のラリーズ” のジャンク/テクノ版といった印象に聴こえます。ラジカセではこういったノイズ系やライブ物が予想以上に映えるのです。
では更にラジカセ映えするカセット、ジャンル別にどんどん行きます。なるべくコメントも短めに。尚、上記共に( )内の年代はカセットのリリース年で、表記の無い物に関しては書いていません。アーチスト名、タイトルを英語表記にしているものは、一部の例外を除いて輸入カセットです。
●’80年前後 和/洋ポップス 元ヤン先輩のカーステ系
◾️『矢沢永吉 / ゴールドラッシュ』(’78)(まずは第3回にも登場したこれです。二十歳の頃90分テープに「時間よ止まれ」1曲を繰り返し録音した、元ヤン先輩の車に乗った事があります。あやうくこのジャケになりそうでした。時間よりも息の根を止めたかった事を思い出します)
◾️『ダウン・タウン・ブギウギ・バンド / 身も心も』(’87)(副題がバラード・オブ・ダウン・タウン~と言って、これは先輩好みのバラード集です)
◾️『山口百恵 / 全曲集』(’79)(先輩の初ナントカは百恵チャンだったと、しつこく聞かされましたね)
◾️『マドンナ / ライク・ア・ヴァージン』(’84)( 先輩はビルボードのヒット物も大好きです。何でも一番が好きです。成功者も大好きです)
◾️『オムニバス / 最新決定版 ディスコ・ヒット全曲集』(’82)(アラベスク、トム・トム・クラブ、カーズから、先輩の大好きなドナ・サマーまでを聞いた事もないB級外人らが熱唱!当然先輩はそんな事気にも止めません。そしてこれがバッタ物ではなくテイチクから堂々とリリースされているとは!)
◾️『ディスコ・ファイヤーズ / ディスコポップスNOW』(そしてこちらがバッタ物。こちらはB級外人ではなく、おそらくB級日本人らが熱唱。「コパカバーナ」「ホテルカリフォルニア」「チェリー・ボンブ」といった先輩好みの曲を経て、「ゴッド・セイブ・ザ・クィーン」で締める違和感!やっぱり先輩は気にもしません)
あ、ヤバイヤバイ、、、又、コメントが長くなってしまいました、先輩!——大体、これって音楽のジャンルなのかよ、、、「オレの店」でかけてる曲ばっかじゃねえかよ、、、って、そうですよね先輩。以降マジに!シビアに!
●’60~’80年代 和モノ歌謡曲/ポップス系
◾️『荒木一郎 / BEST ONE ’82』(’82)(内容は’66~’71年のビクター時代のベスト。45分収録で¥3,200はちと高いのでは?)
◾️『ダウン・タウン・ブギウギ・バンド / ブギウギ・どん底ハウス』(’75)(当時物オリジナルカセット!激レア!!、、、なんて誰も思わないでしょう、きっと)
◾️『越路吹雪 / ベストコレクションシリーズ』(’92)(時節柄、音が良すぎるのが難点といえば難点か)
◾️『バーブ佐竹 / 全曲集』(’99)(海老名サービスエリアで’00年に購入。高速バス運転手が唄う自主制作カセットではありません)
◾️『池玲子 / 話題の女王 池玲子は唄う』(LPは鬼プレミアム。これはバッタ物。音の悪さが逆にお色気を増幅させています)
◾️『桑江知子 / BEST SELECTION 永遠の朝』(坂本龍一、尾崎亜美、鈴木茂、松任谷正隆等が作曲/編曲。クォリティ高いです)
◾️『布施明 / 愛の世界 愛の詩を今あなたに』(このカセットもリリース年不明ですが、かなり古そうです)
◾️『テレサ・テン / 時の流れに身をまかせ』(’87)(香港製ですが歌もクレジットも全て日本語です。妙に音が良いです)
●’50~’70年代 洋モノロック/ポップス系
◾️『ポール・アンカ / ベスト20』(’75)(’57~’71年までの選曲。50分ほどで¥3,300はこの時代とはいえ、やっぱり高い!)
◾️『THE DOORS / THE DOORS』(ドルビー・オフのざっくりした音質。カセットの音はこうあって欲しいです)
◾️『STEPPENWOLF / STEPPENWOLF』(これもドルビー・オフ。正にワイルドでいくアメリカ製品の音)
◾️『SYLVIE VARTAN / CASSETTE OR』(’82)(’64~’81年のバルタン星人のダバダバ感を、フランス製カセットの音質で)
●’70~’90年代 和/洋フォーク/ロック ライブ録音系
◾️『オムニバス / メッセージ・フロム・中津川~’71全日本フォーク・ジャンボリー』(’71)(私が所有する中で2番目に古いカセット。ガロ、加川良、長谷川きよし等。音は結構良いです)
◾️『倉地久美夫 / ライオンママ』(’96)(超リスペクトのカルト・シンガー。カセットオンリーのワイルドなライブ!Sax菊地成孔!)
◾️『オムニバス / B-LIVES/3』(’82)(ゲルニカ、アマリリス、のいづんづり等、’82年の京都シーンを圧縮。カセットオンリー)
◾️『CABARET VOLTAIRE / LIVE AT THE LYCEUM』(’81)(これも当時はカセットオンリー。ノイズ系特有のざらついた音質がたまりません)
◾️『JAMES CHANCE AND THE CONTORTIONS / LIVE IN NEW YORK』(’81)(これまたカセットオンリーで後にCD化。かなりラジカセ映えします)
◾️『崔健 / 北京崔健演唱会現場実況録音』(’93)(大迫力の素晴らしいライブ。当ブログ第4回にも登場しました。CD化はされたのかしら?)
●’80年前後 和/洋ニューウェイブ/ノイズ系
◾️『越美晴 / おもちゃ箱 第1幕』(’79)(この時代からすでにテクノを目指していたのでは?教授にユキヒロ、山下達郎まで参加)
◾️『THE BOREDOMS / BORETRONIX』(’88)(ボアダムス未CD化の重要作!この初期のガチャガチャ感と音質が大好きだったのですが)
◾️『サンディクリエーション / テクノポップ!』(これぞバッタ物の珍品!YMOからシナロケ、ブロンディーにピンク・フロイドまでを安シンセでピロピロ演奏。クラフトワーク’83年のお蔵入りアルバムではありません、念の為)
◾️『バウ・ワウ・ワウ / ジャングルでファン・ファン・ファン』(’82)(LPとは曲順もバージョンも違っています。それと言うのもこのバンド、これからはカセットの時代だとうそぶいて、かなり意図的にカセットリリースの形態にこだわっていたのです。そういう意味でも、このブログに於いては大変重要な1本です。LPよりも流れがスムーズです)
◾️『RAMONES / ALL THE STUFF(AND MORE)-VOL.1』(’90)(1stと2ndをカップリング。あまりにもラジカセ向きです)
◾️『PSYCHIC TV / MOUTH OF THE NIGHT』(’85)(ノイズ系かと思いきや、予想外に整然としたクリアな音。意外なほどにラジカセ映えします)
●和モノ/民謡系
◾️『岡林信康 / エンヤトットでDancing!!』(’87)(A面はエンヤトットを導入、レコード会社に理解されず当時カセットのみ。最近めでたくCD化)
◾️『金沢明子 / 津軽をうたう』(ド田舎の最近増築された部屋の畳の上にラジカセを置いて聴きたい。しかも正月に)
◾️『河内家菊水丸 / ワイは、横山じゃ!! 新聞詠み河内音頭 』(’89)(この時期の菊水丸は、怒濤のようにカセットをリリース。内容も音質も泣けます)
◾️『リカルド・サントス楽団 / リカルド・サントス全曲集 浜辺の歌/さくらさくら』(良い意味でのたるたるなムード音楽。両面50分程で¥3,500はやっぱり高いのではという音)
さてK氏、今回はかなりの情報量だった事だと思います。今回でこの「カセット・プレイヤー・フェティシズム」は一旦お休みして、次回はこのブログのタイトル『曲線と選曲』の本質に少しでも迫れればと思っております。じゃあ今までに書いてた長ったらしい文章は一体何だったんだ!と言われそうですが。ある意味、色気も素っ気もない話になる予定なのです。宜しくおつきあいの程!
色気と商売っ気にしか興味にない先輩も、ちょうど帰られたみたいだし。。。